クロスバイクとは

クロスバイクにはこんな特徴がある

クロスバイクを始めてみたいと思っても、様々な種類のスポーツ自転車があり、何がクロスバイクかわからない人も多いと思います。ここではクロスバイクとはどのような自転車なのか説明するとともに、他のスポーツ自転車のロードバイクやマウンテンバイクとの違いを紹介します。
クロスバイクにはこんな特徴がある

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クロスバイクとは

ロードバイクとマウンテンバイクのいいとこ取り

クロスバイクを一言で表すとロードバイクとマウンテンバイク(MTB)の良いところを併せ持った自転車です。ロードバイクのように速く走れ、マウンテンバイクのように多少の段差でも問題なく超えることができ、その両者の良いところをクロスオーバーさせた「バイク」なので、「クロスバイク」と名づけられました。

ロードバイク
マウンテンバイク

スポーツ自転車の中でも始めやすいタイプ

様々なスポーツ自転車が存在していますが、大きく分けると「ロードバイク」「マウンテンバイク」「クロスバイク」「スモールバイク」の4タイプが主なスポーツ自転車です。

これら4タイプには特徴があり、その特徴は「スポーツ自転車にはどのような種類があるか」で紹介していますが、クロスバイクは普通の自転車に近い乗り心地で、普段自転車に乗っている人なら、すぐにでも乗り始めることが可能です。

また、そのような「とっつきやすい」という理由から選ぶ人も多く、各メーカーはそのニーズに対応するように初心者でもスポーツ自転車を始めるのに最適なモデルがリリースされています。

購入しやすい価格帯

スポーツ自転車全体の売り上げ台数の多くをクロスバイクとスモールバイクが占めているといわれておりますが、その理由のひとつとして挙げられるのが価格帯。

ロードバイクやマウンテンバイクが平均で20万円前後であり、高いものだと100万円のモデルも存在します。

高価なモデル

例えばロードバイクを始めてみたいと思っても価格が高くなかなか手を出しにくいのに比べ、クロスバイクは5万円台から購入できるので、最初の一台には最適なのです。

クロスバイクの位置づけ

クロスバイクは普通の自転車と比べて何が違うのか

軽い

クロスバイクのフレームは、カーボンやアルミ、クロモリなど、さまざまな材質のものがあります。例えばカーボン素材のフレームは非常に軽量であり、それに次いでアルミ素材のフレームが軽量です。

ロードバイクのように1グラムでも軽いフレームが必要な場合はカーボン素材を用いられることが多く、一方でハードに乗る前提で耐久性を重視しているマウンテンバイクはアルミ製のフレームが良く使われています。

フレームの素材によって値段が異なりますが、安価なアルミフレームのクロスバイクでもママチャリより段違いで軽量です。

ちなみにママチャリによく使われている素材はハイテンション鋼という素材。別名「高張力鋼」とも呼ばれるこの素材、丈夫で安価ですが、アルミ素材などに比べると重いためスポーツ自転車としては不向きです。

素材 価格 重量
クロモリ ◎ 安価 △ 重い
アルミ ○ 普通 ○ 普通
カーボン △ 高価 ◎ 軽い

速い

クロスバイクはペダルの回転が効率的にタイヤに伝わるように作られているため、ペダルを回すことでギアのない自転車のおおよそ2倍以上の距離を進みます。そのため、普通の自転車に比べて楽に速く遠くに進むことができます。

さらに、体が前傾気味の乗車姿勢のモデルであれば、自分の体重をペダルに伝える力がさらに増すため、より速く、力強く進むように設計されています。なお、ロードバイクはクロスバイクよりも乗車姿勢がはるかに前傾になっているため、よりペダルに力が入りやすくなっていて、クロスバイクよりも前に進む力がより大きくなっています。

多段ギア

多段ギア

クロスバイクが楽に走れるのはギアがついていることも理由にあげられます。シングルスピードというギアのない特殊なモデルを除けばほとんどのクロスバイクにギアがついています。

例えばギアのない自転車であれば、漕ぎ出しに大きな力を使う必要があり体力を消耗しがちです。クロスバイクにはギアがあるため、漕ぎ出しはペダルを回しやすい軽いギアにしておき、スピードが出るにしたがってだんだんと重いギアに変速することで、体力の消耗を最小限にでき、結果として楽に走れることになるのです

また、坂に差しかかったら軽いギアに変速することで立ってペダルを回さなくても登りやすくなり、走行時の状況に合わせた変速を行っていけるのも大きな特徴です。

ギアは前3段、後7段などのモデルから、前1段・後8段のものまでさまざまな種類があります(一部ギアがついていないモデルもあります)。ギアは段数が多ければ多いほど状況に応じたギアに合わせることが可能なので、段数が多いほうが楽に走ることができます。

大雑把に言うと、後ろのギアの段数が多いものが高性能なもので、その分価格も高価です。自転車用語にコンポーネントという言葉があり、ギアなどのパーツ一式を指しますが、例えばロードバイクのコンポーネントの上位モデルだと後ろのギア段数は11段で高価。

なお、前のギアは2段より3段のほうが優れているというわけではなく、多くのロードバイクは前のギアは2段です。

ママチャリに比べると高価

スーパーやホームセンターでも自転車は販売されており、安いものだと1万円前後で購入できます。一方、まともなクロスバイクを購入しようとすると、最低でも5万円以上と高価。そしてほとんどのモデルはスタンドやライトが最初からついていないので、別途費用がかかります。

しかしながら、走行時の楽しさはもちろん、まともなメーカーのクロスバイクであれば安全性も考えて設計されているので、定期的なメンテナンスを行っておけば、安心してスポーツ自転車を楽しめます

なお、クロスバイクに似たクロスバイクのような自転車、いわゆるルック車は非常に安価ですが、乗車品質はママチャリと同じかそれ以下のレベルなので、やめておいたほうが無難です。非常に安いものになると、安全性が確保されておらず、大事故につながった事例もありますので注意しましょう。

きちんとメンテナンスする必要がある

普通の自転車とは異なり、クロスバイクは良質のパーツが備えられています。良いパーツだからこそ定期的に点検をしてメンテナンスを行っていけば安全に走ることができ、さらに長い間使うことができます。

空気入れ

Panaracer アルミ製フロアポンプ

最も頻繁に行うメンテナンスは空気入れ。ママチャリであれば空気入れは2~3か月に一回とそんなに頻繁ではないのですが、クロスバイクは空気圧の高いタイヤを使用しているので自然と空気が抜けやすく、2週間に1回は空気を入れる必要があります。

また、空気を入れる場合も普通の自転車で使われているバルブとは違い、仏式バルブが採用されているため普通の空気入れでは不可能。初心者の方はバルブの違いや空気の入れ方をきちんと知っておきましょう。

仏式バルブ

空気入れの選び方は別ページで紹介しておりますので、「最低限必要なアイテムを安くそろえる」を参照ください、また、空気の入れ方については「クロスバイクのタイヤに空気を入れる」を参照ください。

注油

メンテナンスを行ううえでもう一つ大切なのが注油。これまで何もメンテナンスをせずに自転車を錆びさせてしまった経験は多くの人があると思います。とくにチェーンは錆びやすい箇所ですが、チェーンへの注油を定期的に行えば錆びることなく滑らかな走りができますので、ママチャリでは一度も注油したことのない人も行いましょう。

方法はそんなに難しくなく、チェーン用潤滑油(オイル)とオイルを拭き取るウエスさえあればいいので、「クロスバイクの注油方法・注油箇所」を参考にしてやってみましょう。

まとめ

クロスバイクはスポーツ自転車の進化の中で現代の街中で走ることに適した形で生まれた自転車です。走りやすく快適なクロスバイクをぜひ始めてみませんか。

具体的なクロスバイク販売メーカーや、各種モデルについては、「クロスバイクのメーカー一覧」や「クロスバイク車種一覧」で紹介しておりますので、参考にしてみてください。