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これまでのスポーツサイクル選びは、フレームを軸としてコンポーネントやブランドで選んで購入するのが基本的な選び方でしたが、Eバイクは若干異なる点があります。
ただ、そう難しいものではなく、基本的には普通のスポーツバイクと同じ基準で選ぶといいでしょう。
まずは、どんな用途で使うかを決めることで、どの種類のEバイクならではのバイクを選べばいいかがわかります。例えば自転車通勤に使いたいならEクロスバイクやEミニベロ、ツーリングに使いたいならEロードバイクなど。
用途 | バイク |
---|---|
自転車通勤 |
|
ツーリング/ヒルクライム |
|
オフロードを走る |
|
次にデザインです。Eバイクは取り扱っているブランドはそう多くないのですが、各ブランドが非常に様々なデザインのものをリリースしています。このあたりは複数の種類見てから気に入ったものをチェックしておきましょう。
なお、上記のEバイクはVanMoofというオランダの自転車メーカーのもの。シンプルながら機能的で、デザイン性が非常に高く、熱狂的なファンが多いブランドでもあります。
フレーム素材やコンポーネントですが、現在のEバイクはそこまで種類が存在しないため、選択肢はあまりありません。一方でEバイクは、どのようなドライブユニットを使っているかということに、選定基準を合わせることになります。
Eバイク選びの重要ポイントとして「どのようなドライブユニットを使っているか」が存在します。というのも、Eバイクのドライブユニットは、フレームと同じぐらい重要な部品であり、この性能は自転車の性能に大きな影響を及ぼすことになります。
自動車には「フロントエンジン」「ミッドエンジン」「リアエンジン」のように、エンジンの搭載位置の違いがあります。同様に、Eバイクもドライブユニットの搭載位置やアシストする方式に違いがあります。
また、搭載位置が同じでも、シマノ・ボッシュ・ヤマハなど、メーカーごとにアシストの作法がまったく異なります。静かにペダル踏みをサポートしてくれるものもあれば、大きな音を立てて力強くアシストするレスポンス重視のものもあります。
こうしたドライブユニットの方式や性能の違いはEバイクを選ぶときの最も重要なポイントとなってきますので、覚えておきましょう。
ペダルを踏む力をドライブユニットがアシストする方式には、大きく分けて3種類が存在します。1つ目がフロントハブにモーターを装着して前輪にアシストを加えるフロントドライブ方式。2つ目がクランクのBB軸に対し、モーターでアシストを加えるミッドマウント方式。3つ目はリアハブにモーターを搭載して、後輪軸をアシストするリアドライブ方式。このあと詳しく説明していきます。
フロントハブに搭載したモーターで駆動するのがフロントドライブ方式。後輪は人力でトルクを掛け、前輪はモーターがトルクを掛けるため、結果として両輪駆動となります。この方式は直進安定性がよくなるというメリットとともに、内装式のリア変速機と組み合わせることができる特徴があります。この方式はミニベロなどの小径車などで使われます。
一方で、ハンドル軸に重量物が入る構造のため、ハンドリングが重くなる傾向があります。
BB部分にドライブユニットを搭載するのはミッドマウント方式。シマノ・ボッシュ・ヤマハ・パナソニックなどの主要ドライブユニットメーカーはこの方式を採用しており、現在のドライブユニットのマウント方式としては中心的な方式。
BB軸を直接アシストするため、クランクを踏み込んだ際のトルクを感知して即座にアシストするため非常にスムーズなアシストが可能。また、重量物が中心の低い位置に搭載される方式のため、ハンドリングも快適。全体的に自転車そのものの走りを邪魔しないというメリットが大きい。
デメリットとしてはドライブユニット構造が複雑なこと。そのため、フレームを設計する時からドライブユニットメーカーとの連携が求められるほど自転車の設計自体も複雑になり、価格面でも高価になります。
後輪を直接アシストするリアドライブ方式はリアハブにモーターを内蔵。この方式のモデルは、比較的手に入れやすい価格のモデルに多く、乗っていて後ろから押される感覚はありますが、ミッドマウント方式と同じような力強い走りを実現しています。フレーム構造的に重置物が自転車のセンターから遠ざかっていますので、走りに若干の影響はあります。
方式 | アシスト方法 |
---|---|
フロントドライブ方式 | フロントハブにモーターを装着して前輪にアシストを加える |
ミッドマウント方式 | クランクのBB軸に対し、モーターでアシストを加える |
リアドライブ方式 | リアハブにモーターを搭載して、後輪軸をアシストする |
バッテリー搭載方式も走りと乗りやすさに大きく影響します。また、自転車のビジュアルにも大きく関わっており、チューブに内包された方式のバッテリーは、普通のスポーツバイクと変わらないスマートなルックスが魅力です。
最も多いの搭載方法は、ダウンチューブに外付けバッテリーを搭載する方式。この方式のモデルは、いかにも電動アシスト自転車というビジュアルになってしまうため、スタイリッシュ感はこの後に紹介するインチューブ方式と比べれば劣りますが、バッテリー着脱が容易。さらに、フレーム形状も自然で設計が容易のため、抑えめの価格で手に入れやすいものが多いです。
一見するだけではEバイクだとわからないのがこのインチューブ方法。チューブ内にバッテリーを内蔵する方式で、スマートなビジュアルと低い重心設計を実現しています。他にも外部からの衝撃に強く、フレームにボトルケージも装着可能になるなどのメリットもあります。
ただ、フレームの設計が難しくこの方式のモデルは一般的に高価です。
バッテリー容量が多ければ航続距離が長くなります。現在は500whのものが中心ですが、ブランドによっては300whタイプのものを採用しているモデルもあります。
ただ、容量が少ないタイプにもメリットはあります。容量が少ないとバッテリーが軽量にできるため、アシストのない速度域を走ることが多いのであれば、軽量なもののほうが走りやすいということです。
また、価格が安いというメリットがあるため、一概に容量の大きいものを必ずしも選ぶというのではなく、自分自身の使用用途に合わせて選びましょう。
特に、自転車通勤メインで使う場合、毎日100km走るわけではないため、こまめに充電ができる環境であれば、そこまでの大容量バッテリーは必要ありません。
航続距離 | 重さ | 価格 | |
---|---|---|---|
容量が多い | ○ | × | 高 |
容量が少ない | × | ○ | 安 |
旅行先でEバイクを使用する予定があるなら、充電器も携行することになります。そのため、充電器のサイズと充電速度についてもチェックしておきましょう。中には充電器は小型なのに1時間で急速フル充電できるものもあります。
ただ、自宅で充電することがメインとなる場合は、充電時間の長い充電器でも特に不具合はないと考えましょう。充電時間が長くても6時間程度でバッテリーは充電できるため、充電スピードを重視する必要がないからです。
スポーツ車らしい走りを生むドライブユニットは、どこのブランドのものが搭載されているかで、乗り味も違ってきます。ユニットのみのブランド、自転車本体とユニットを同時に開発するブランドもあります。
ヤマハは世界で最初に電動アシスト車を作ったメーカー。ドライブユニットの特徴としては、二輪メーカーらしい躍動感。なお、ジャイアントのEバイクユニットはヤマハ製のものを採用しています。
日本が世界に誇る自転車パーツメーカーシマノ。もちろん、シマノもドライブユニットをリリースしています。特に、ステップスE8000シリーズは非常に評価が高い。
パナソニックは以前から電動アシスト自転車をリリースしているメーカーで、Eバイクもリリースしています。総合家電メーカーらしい作りのよさと、アイデアが詰まっています。そのスケールメリットを生かし、ユニットからバッテリー、フレームまで自社で設計・生産できるのが強み。
中国のブランド、バーファンは様々なアシストユニットを開発・製造しており、欧州でも高いシェアを誇っています。圧倒的なコストパフォーマンスが特徴である一方、有名ブランドも徐々に採用してきています。例えば、DE ROSAのEロードバイクはバーファンのドライブユニットを採用するなど、活動の幅を広げています。
日本では電動工具などでおなじみのボッシュはドイツを拠点とするメーカー。欧州で6割近いマーケットシェアを持ち、欧州のEバイクユーザーなら多くの人が知るマーケットのリーダーでもあります。最新鋭のテクノロジーが惜しみなく投入されています。
それぞれのドライブユニットブランドでも、ユニットのグレードによってアシストの絶対的な力だけでなく、自然でスムーズなアシストという意味でも、モデルによって大きな違いがあります。そのため、Eバイクを選ぶ場合は試乗してその感覚を確かめることが重要です。
試乗については、店舗での試乗体験や、試乗会なども各地で開催されています。また、ジャイアントのようにレンタサイクルでEバイクを導入しているブランドや、Eバイクをレンタルできる観光地なども増えています。
長い距離乗車してその感覚を確かめたいのであれば、それらを用いて体験するのも手です。
試乗の際は、平坦な場所だけでなく坂道、それも10%を大きく超える坂で試乗するのがベスト。というのも、普通の道では力を発揮せず、坂道で本来の力を出すユニットもあるため、その点も含めてしっかり試乗して選ぶと良いでしょう。