HOME > クロスバイク初心者向け乗り方講座 > 長時間クロスバイクに乗っているとお尻が痛い人向けのサドルの選び方
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お尻の痛みは大きく分けると1.サドルやパンツと擦れて痛い、2.股間など股の前部が圧迫される、3.骨盤の底や太もものつけ根の骨が圧迫される、の3タイプに分けられます。
サドルやパンツと擦れて痛い場合はパッドのついた自転車用パンツを履くことで解決できます。自転車用パンツはパッドが入っているので硬いサドルからお尻を守ってくれます。下着の上から着るのではなく、素肌の上に着るのがポイントです。
股ズレを防ぐには、パッドにクリームやワセリンなどを塗って滑りをよくすれば、さらに効果が高まります。いざ痛くなってから塗っても効果は薄いですので、気になる人は事前に塗っておくことが大切です。
股間など股の前部が圧迫されて痛い場合は、サドルが高すぎたり前上がりだったりと、サドルの取り付け位置が原因になっていることも多く、サドルの高さや取り付け角度を見直すことで解決できます。
サドルが水平にとりつけられているか、サドルの高さは適切か、サドルの前後の角度は適切か、など複数のポイントで確認して調整してみましょう。
サドルの高さはサドルに座ったとき、つま先立ちできる程度が適切な高さです。慣れてきたら脚を伸ばしてペダルにカカトがぴったり乗るくらいまでサドルを上げると、さらに脚の筋力を引き出せるようになります。ただ、クロスバイクに慣れていないと転倒の可能性もありますので、最初からサドルを上げるのではなく、少しずつ上げていくようにしましょう。
骨盤の底、太もものつけ根の骨が圧迫されて痛い場合は背中の荷物が重すぎることが考えられます。可能な限り背中の荷物を減らして、必要に応じてクロスバイクのフレームにバッグを取り付けるなどして体への荷重を減らしましょう。他にも上記で紹介したサドルの角度や高さも関係していることもあるので、確認してみましょう。
これらを改善しても痛みがあるのなら、サドルとお尻との相性が悪いのでサドル交換を検討することになります。ただ、クロスバイクの多数のパーツの中で、最も個人の好みや適合、不適合があるのがサドルです。
お尻の形は人それぞれであり、また乗車姿勢も異なりますので、クロスバイクに最初からついていたサドルが合わないという場合もよくあります。誰にでも合う万人向けのサドルというものはありません。そのため、人によっては高い頻度でサドルを交換する人もいます。
多種多様なサドル形状から最適なものを見つけるのは困難です。ロードバイクやMTBの熟練者も自分に最適なサドルを見つけたら、自転車が変わっても同じサドルを付け替えて使っているといいます。それだけ、自分に合ったサドルは素晴らしく、唯一無二のものであると言ってもいいでしょう。
自転車はペダリング運動が強調されて”下半身のスポーツ”というイメージが強い運動です。確かに、普通の自転車(いわゆるママチャリ)は、体重のポイントがサドルに集まっていますので、上半身への負荷は非常に少なく、下半身に負荷が集まるようになっています。そのため、普通の自転車で長時間のサイクリングをするとお尻に体重がかかりすぎてお尻の痛みを発症しやすくなります。
一方でクロスバイクは、上半身の動きは少なくとも力が常に上半身にもかかっている乗車姿勢なので、サドルとハンドルにバランス良く体重が分散でき、長時間乗り続けることができます。
サドルには単純にお尻を乗せて座っているのではなく、両脚を上下させてペダリングしている状態でサドルにお尻をのせています。クロスバイクの走行速度が高いと上半身は深く曲がり、股関節や尿道への圧力が上がりますが、ペダルを踏む反力で圧迫を分散できてお尻が痛くなりにくくなります。
一方でクロスバイクの走行速度が遅く上半身が起きるポジションでは股関節から座骨にかけての圧力が上がり、お尻への負担が増してしまうのでサドルに厚いパッドを用いるなどの工夫が必要となります。
レーシングタイプのサドルはライダーの力を無駄に使わないような作りになっています。サドル全体の剛性が高く作られ形も変形しにくくパッドも薄く、太ももの動きをスムーズにするため、サドルの形状が細身になっています。他にも、より快適に走れるよう、穴開き構造や、溝付き形状、圧力を分散できるジェルを骨盤や股関節や尿道が当たる部分に採用するなど、様々なものがあります。
薄いパッドがある一方で、厚いパッドを備えたクッション性を追求したモデルも用意されています。さらに性別による骨盤の広さの違いや、上半身が起きて中央から後ろの骨盤にも体重がかかることを配慮した、ワイドでパッドの厚い設計の女性専用モデルもあります。
革サドル | 専用クリームを逢って柔らかくし、長時間乗り込むことで、自分に合った形にしていくことができます。ツーリングに適しています。 |
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カーボン | 軽量性を追求した超軽量サドル。カーボンは振動吸収性に優れていますので、パッドはついていません。ロードバイク用。 |
樹脂ベース | プラスチックなどの樹脂で作られたベースの上に、表皮に覆われた薄いパッドがついています。もっとも一般的なサドル。 |
数ある中で、どのタイプのサドルが自分に向いているかは、実際に使ってみないとわかりません。サドルはこれが万人にベストというものはなく、人それぞれフィットするものが違います。他の人には適したものであっても細くて尿道を圧迫するもの、軟らかすぎて力が逃げる感じがするもの、作りが頼りなくて腰を後ろに引けないものなど、相性は人それぞれです。
サドルを購入するときは自転車に装着されたものに乗れればベストですが、イスの上などにサドルを置いて体重をかけて座ってみるだけでも、ある程度の感触はつかめます。自転車店によってはサドルに試し座りさせてくれるところもありますので、購入を考えている人は自転車店で相談してみましょう。
しかし、1回座ってすぐ自分に適しているとわかるというものでもありません。最低でも数時間、そのサドルで走ってみないと判断できないでしょう。最初は調子よくても、長時間乗車していると、擦れや痛みが出てくることもあります。逆にそれを越えて慣れてしまうこともあるからです。
しばらく乗ってみて、違和感があれば取りつけ角度を変えてみたり、前後にずらしたりなどの調整をしてみて、それでもどうしても合わない場合もあることを覚えておきましょう。
サドルには、カーボン繊維だけで編み上げられた板状のもの、座骨の当たる部分にジェルや分厚いスポンジの入っているもの、中央に穴があけられたもの、後部にスリットが入って割れているもの、それらの複合的なものまで、その種類は多種多様。
一般的に初心者や、ゆっくり乗る人ほど幅は広めでクッションも厚めのサドルが合うといわれます。逆にロードバイクやMTBに慣れている人は固くて細く軽いサドルを好む人が多いです。固くて細く軽いサドルはスポーツバイクに適したサドルですが、慣れていない人が使うと骨盤の底が痛くなることもあります。
そのサドルが自分に合うか合わないかは、試してみないとわかりません。材質、形状、硬さなどから、自分に合いそうなものを選び、長時間乗り込んでみましょう。
幅が広いほど快適性は高くなりますが、前方部分の幅が広いとペダリングしにくくなります。前方部分の幅が細いほうがペダリングはスムーズになります。
乗車姿勢によってサドルの硬さをかえましょう。前頃姿勢が多めなら硬めでもお尻は痛くなりませんが、上体を起こして乗ることが多いなら柔らかいサドルのほうが快適。
クッションにゲルを使ったものは、ゲルがへたってずれてしまったこともあります。クッションがずれると座り心地はよくありません。クッション性を高めるためにサドルの上にクッションやカバーをかける方法もありますが、スポーツバイクは激しい動きをするので乗車中にずれていきやすいのでお勧めできません。
最終的に見つけたいのは何日乗り続けてもお尻を意識することのないサドル。ただ、人によって適しているサドルが異なりますので、このような相性ぴったりのサドルはなかなか見つかりません。長い自転車生活の中で見つけていけばいいです。まずは自分の自転車についているサドルとは全く異なるサドルを試してみますと、自分にとっての適したサドルとは何かがある程度わかってくるでしょう。
女性の場合、女性向けにつくられたサドルがありますので、それを使ったほうがよい場合が多いです。女性の骨盤は男性の骨盤よりも広いですので、骨盤の最も下にある座骨の幅も同様に広いです。座骨は座ったときに椅子に当たる骨で、通常のサドルは男性の座骨の位置に合わせて細めにつくられているため、女性がそのサドルに座りますと、座骨がサドルの外側にきてしまいます。そのため、座り心地が悪い、尻が痛いということになりやすいです。
女性向けのサドルは、女性の骨盤の広さに対応した座骨がうまく乗るように幅が広くなっています。また、骨盤の広さにも配慮してサドルの後ろが幅広で、圧力に対応してパッドも厚いものも多いです。ただ、日本の女性の骨格はそれほど大きくないので細身の男性用サドルがフィットすることもあります。
もちろん、座骨の位置にも個人差かありますし、好き嫌いもあります。必ずしもすべての女性に女性用サドルが適しているということではありませんが、女用のサドルがあることは知っておいたほうがいいでしょう。普通のサドルにつける女性用サドルカバーもあります。いろいろ試して、自分に合うものを使ったほうがよいでしょう。