クロスバイクは外を走るものなので、春から秋にかけてしっかりと紫外線対策を行うことが大切です。紫外線によって引き起こされる日焼けには様々なリスクがあり、女性だけでなく男性も紫外線対策を行うことが重要です。ここでは紫外線についてとその対策を紹介します。
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自転車はアウトドアスポーツであり太陽の下で行う以上、日焼けは避けられません。しかし中高年になりますと、女性だけでなく男性にとっても、過度の直射日光を浴びることにはさまざまなリスクがあります。
春から夏にかけては大量の紫外線が降り注ぎます。紫外線を浴びると骨がカルシウムを吸収するのに必要なビタミンDが作られますが、骨粗しょう症予防も含め成人が1日に必要とされるビタミンDは晴天の日で5~6分、曇りの日でも30分ほど日に当たるだけで十分なのです。長時間太陽に当たる必要はありません。
晴れの日 | 曇りの日 |
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5~6分 ほど | 30分ほど |
太陽から発生する紫外線は人にとって有害なものですが、地球を取り巻くオゾン層によって吸収・減少しているため、人体への影響は抑えられています。ただし、現在は以前に比べると大気中のオゾン層の破壊が進み、オゾンホールが拡大しています。こうなりますと、オゾン層で吸収される紫外線が減り、より多くの紫外線が地上に達するようになります。
直射日光による強い紫外線を過度に浴びるとしみやしわ、たるみを作る原因になるだけでなく皮膚がんの発生に深くかかわっているといわれています。
直射日光を浴び続けると日焼け状態となりますが、直射日光を浴び続けると紫外線による炎症により、体力を消耗し、強い疲労感に襲われます。さらに長時間強い日光を浴び続ける日焼けは、いわゆる"やけど"の症状で治療が必要となります。十分に注意が必要です。
紫外線は太陽光線の一種で、波長の長い方からUVA、UVB、UVCの3種があります。UVCはオゾン層で反射されますので、地表に届くのはUVAとUVBです。
紫外線の種類 | 効果 |
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UVA | 皮膚の組織を破壊する |
UVB | 日焼けの原因 |
UVC | なし<オゾン層で反射される> |
紫外線を浴びると皮膚で活性酸素が発生し、しわやしみができる原因のひとつになっていることがわかっています。細胞膜は不飽和脂肪酸でできており、紫外線を浴びて皮膚に発生した活性酸素は不飽和脂肪酸を酸化し、酸化した不飽和脂肪酸がたんぱく質と結びついてしみができます。
活性酸素は真皮のコラーゲンやエラスチンの細胞を酸化させ、しわを作る原因になっています。もちろんしわは自然な老化や皮膚の乾燥によっても起こりますが、紫外線の影響が大きいと考えられています。
しみ | 紫外線を浴びて皮膚に発生した活性酸素は不飽和脂肪酸を酸化し、たんぱく質と結びついてしみができる |
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しわ | 活性酸素は真皮のコラーゲンやエラスチンの細胞を酸化させ、しわを作る |
UVAはガラスごしでも体に影響を及ぼしますので、より注意が必要です。UVAは皮膚の表皮を通り抜けて真皮に届き、コラーゲンやエラスチン(弾性繊維)などで構成される皮膚の組織を破壊してしまいます。
UVBは日焼けの主な原因となっています。紫外線をたくさん浴びますと、皮膚は一時的に赤くなりますが、時間の経過とともに黒くなります。これはUVBによって表皮にあるメラニン細胞(メラノサイト)が活性化され、大量のメラニン色素が作られるためです。
人間の表面は代謝によって定期的に生まれ変わり、老化した皮膚は垢として廃棄されます。皮膚が生まれ変わりますので日焼け状態も元に戻りますが、皮膚が生まれ変わる周期は、20歳代で28日くらい、30歳代で40日、50歳代では55日くらいまでと年令によって周期が長くなります。
若い頃は代謝が著しく日焼けをしてもすぐに皮膚が生まれ変わってシミにならなかったとしても、年齢を重ねるに伴い日焼けしても皮膚が生まれ変わりませんので、メラニンが沈着しやすくなりシミになってしまいます。
20歳代 | 約28日 |
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30歳代 | 約40日 |
50歳代 | 約55日 |
日差しの弱い時期に通学や通勤のため30分程度クロスバイクに乗るのなら、紫外線対策はそれほど気にすることはありませんが、真夏に走るときはしっかりと紫外線対策をとることが大切です。基本は「日焼け止めを塗ること」と「紫外線を防ぐウエアを着用すること」。日焼けには様々なリスクがあるので十分な対策をとることが大切です。
直射日光を浴びないことが大切なので、薄めの長袖ジャージやウインドブレーカーを着用しましょう。ウエアはUV対策を施したもの(紫外線吸収繊維)を選ぶといいでしょう。白よりも濃いめの色の方が紫外線を防いでくれます。
春から初夏までは長袖の上着で日焼け対策も可能ですが、真夏だと熱がこもって長袖では不快な場合もあります。そこでオススメなのが「アームカバー」。多くのアームカバーが紫外線を吸収する素材を使っているので日焼け止め効果は高いです。
アームカバーは熱がこもって熱そうと思われがちですが、夏用アームカバーは汗を逃がしすぐに乾きやすい素材を用いており、さらに冷感機能により走行風で涼しく感じるうえ、日焼けによる体力消耗も防げるのでオススメです。着脱しやすくコンパクトで様々な場面で活用できます。良いアームカバーは腕にピッタリと装着できて二の腕部分がブカブカにならないようになっていますので、そのようなものを選びましょう。
手だけでなく脚の日焼けを気にする人はレッグカバーもありますので、活用するといいでしょう。
なお、アームカバーやレッグカバーを装着しても一部肌が露出する場合は、その箇所にはきちんと日焼け止めを塗って対策を行うことが大切です。
グローブは転倒時に手を守るだけでなく、走行中にハンドルから受ける衝撃を和らげるためのもので、一年中使用しますが、寒くない時期はレバー操作がしやすいハーフフィンガーグローブが使われます。
ただ、指先の日焼けを気にする人はフルフィンガーのグローブを選ぶという手もあります。冬用のグローブと異なり、通気性に優れていて暑い夏でも蒸れにくくなっています。これらのものはUVカット素材を使っているものが多いのも特徴です。
最近は女性向けのフルフィンガーグローブも増え選択肢の幅が広がっています。
サングラスはUVカットのものを選びましょう。色が濃いだけのサングラスは瞳孔が開き、かえって紫外線が目に入り、視力が低下する白内障を引き起こす原因となります。
いくらウエアを備えていても顔や耳、首部分は肌が露出する(しやすい)部分のため、日焼け止めを塗って対策することが必要です。
走り出すと体全体から汗が噴き出し、汗自体で日焼け止めが落ちたり、汗を拭くことでこすり取られたりするので、こまめに塗りなおすことが大切です。
普段使い慣れている女性は特に問題ありませんが、男性はあまり日焼け止めを使わないので、何を選んでよいかわからない人が多でしょう。
日焼け止めにも様々な種類があり、人によって適した選び方があるのですが、大雑把に日焼け止めを使い慣れていない男性が日差しの強い時期に屋外でハードに使用することを考えますると、「PA++++」「SPF50+」「顔・体用」「石鹸で落ちる」「ウォータープルーフ」を兼ね揃えたものを選ぶといいでしょう。
非常に雑ですがこれらが兼ね備わっていると使い分けを考えずに1本で全てカバーできます。また、肌が弱い人は若干日焼け止め効果は落ちますが、子供用のものを選んでこまめに塗り直すといいでしょう。
条件 | コメント |
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PA++++/SPF50+ | 紫外線防止効果の強さを表すもので最高ランクのもの。 |
顔・体用 | 使用箇所が顔と体で別れているものもありますが、わざわざ区別するのも面倒なので両方使えるものを選びましょう。 |
石鹸で落ちる | 日焼け止めを洗い流すときにクレンジングオイルが必要なものもありますが、ほとんどの男性は持っていないため、石鹸で落とせるものを選びましょう |
ウォータープルーフ | 外で走る以上汗をかきますので、汗で日焼け止めが落ちないように水で落ちないタイプのものを選びます |
十分な装備を整えていても日差しの強い時期の直射日光は体への負担となります。とくに真夏の10時から14時頃は非常に熱く直射日光もきついため、可能であればこの時間を避けるほうが無難です。