メンテナンス方法

基本的なトラブルとその解決方法

クロスバイクを購入したばかりの間は、よくありがちな初歩的トラブルであっても対応できずに困ってしまうことも。難しいことは購入した店舗に相談するのが安心ですが、基本的なことは自分で解決できるようにしておきましょう。

基本的なトラブルとその解決方法

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基本的なトラブルは意外と簡単に解決できる

クロスバイクに乗っていると、大なり小なり様々なトラブルに遭遇します。クロスバイクに慣れ親しんでいる人にとっては簡単に解決できる造作もないトラブルでも、クロスバイクを始めたばかりの人には大きなトラブルに感じてしまいます。

もちろん、安全を最優先として考えるのが当然なので、走行中に異変を感じた場合は購入した店舗に相談するのが一番。ただし、自分で解決できることも非常に多いので、クロスバイクの必要最低限のトラブル解決方法は知っておきましょう。

基本的なトラブル1.ペダルが重い場合

主な原因はタイヤの空気が不足していること

主な原因はタイヤの空気が不足していること

ペダルが重いと感じた場合は、まずはタイヤの空気を確認すること。タイヤの空気は放っておけば自然と抜けていくもの。空気がきちんと入っていないとタイヤと地面との接地面が増えることで抵抗も増えるため、ペダルが重くなってしまいます。

特にクロスバイクのタイヤは普通の自転車のタイヤに比べて高い空気圧を入れておく必要があり、空気がきちんと入っていないと、ちょっとした段差を越える時など、地面からの衝撃がリムに直撃することで、チューブが傷つきパンクしやすくなってしまいます

こうなってしまうとパンク修理というさらに厳しいトラブルに発展するので解決の難易度はさらに上がります。そのため、タイヤに空気が入っているか、これは乗る前には必ずチェックすることが大切です。

タイヤに空気が入っているかはどうやってわかる?

とはいえ、クロスバイクのタイヤに空気がしっかりと入っているかは手で押してもわかりません。というのも、クロスバイクのタイヤには非常に高圧の空気が必要なので、手で触っただけでは判断できないからです

確認する方法としては、空気圧を測定できるポンプを使うことですが、最も合理的な方法としては1週間に1回は空気を入れるようにすること。空気の入れ方については、「クロスバイクのタイヤに空気を入れる方法」を参考に。

参考リンク クロスバイクのタイヤに空気を入れる方法

ちなみに、タイヤによって適正空気圧が異なります。適正空気圧はタイヤの側面に記されているので、初めて空気を入れる際にはよく確認しておきましょう。

基本的なトラブル2.チェーンが外れた場合

チェーンが外れた場合

クロスバイクはチェーンが外れても戻すのは簡単

転倒などでクロスバイクに過剰に衝撃がかかった場合や、変速の調子が悪い時に無理やりペダルを踏んだりすると、チェーンが外れてしまうこともあります。

普通の自転車と比べると、ほとんどのクロスバイクはチェーン部分がカバーで覆われていないのでチェーンが外れてしまっても戻すのは簡単です。

チェーンが外れる原因

  • 転倒や接触によりクロスバイクに過剰に衝撃がかかった場合
  • 変速の調子が悪い場合
  • チェーンの張りが緩すぎたり張りすぎたりする場合

チェーンが前の小さいギアの内側に落ちたとき

  1. 前ギアを小さいギア(ギア軽くする)に
  2. プーリーを指で前方向に押してチェーンを緩める
  3. チェーンをインナーギアにひっかける

チェーンが前ギアの外側に落ちたとき

  1. 前ギアを外側のギアに
  2. プーリーを指で前方向に押してチェーンを緩める
  3. 前方外側ギア(アウターギア)の先端にチェーンを掛ける

後ギア箇所でチェーンが落ちた場合

  1. ゆっくりとペダルを手で逆回転させながら、後ギアを外側に操作(ギアを重くする)する

詳しくは「誰でもできるチェーンが外れてしまった時のケース別修理方法」を参考に。ただ、変な外れ方をしてしまって簡単に戻らない時や、頻繁にチェーンが外れる場合は、ショップに見てもらうのが安心。

参考リンク 誰でもできるチェーンが外れてしまった時のケース別修理方法

基本的なトラブル3.ブレーキの効きがおかしい場合

ブレーキは安全に関わる重要な部分。クロスバイクを停止する際に違和感を覚えたらすぐにブレーキ部分に異変がないか確認しましょう。

確認する場所

  • ブレーキシューが消耗していないか
  • ブレーキの位置がずれていないか
  • ブレーキワイヤーが伸びていないか

タイヤの回転を止めるためのブレーキシューはブレーキをかけるたびに消耗していくし、ブレーキワイヤーも初期の状態からワイヤーが馴染むまではだんだん伸びてゆくなど、使用頻度によってブレーキの効き具合も変化します。

ブレーキシューの摩耗

ブレーキシューの摩耗

ブレーキシューの残量は目視でも確認できます。上から見て大きく溝が減っていれば、新しいものに交換すること。また減り方が偏っている場合は設置位置の微調整が必要。ブレーキシューの交換方法については「ブレーキシューの交換方法」で紹介しています。

参考リンク ブレーキシューの交換方法

ブレーキの位置がずれている

ブレーキの位置がずれてブレーキが片効きになっている場合は、まずはホイールが真っ直ぐになっているかどうかを疑って、クイックレバーを締め直すこと。それでもダメならキャリパーの位置調整を行います。変に調整してしまうとブレーキシューの位置がズレ、タイヤに当たっていると危険なので、しっかりと確認しながら調整すること。

ワイヤーが伸びている場合

ワイヤーが伸びてブレーキの効きがおかしい場合は、無理せず自転車店で調整してもらいましょう。

基本的なトラブル4.変速の調子がおかしい

スムーズに変速できなかったり、変速の際に異音が発生したり、スピードに応じた変速ができない場合はギアの不調を疑いましょう。

ブレーキと比べると事故に直結する可能性は低いのですが、快適に走行するためにはきちんと変速できるように調整しておくことが大事です。

まずは注油すること

まずは注油すること

チェーンに注油が必要な理由はいくつかありますが、その一つがチェーンとギアを潤滑にかみ合わせること。チェーンの油は時間が経つに従って揮発していき、油が切れてしまうと滑らかなギアチェンジができなくなります。注油作業自体はそんなに難しい作業ではないので、定期的に行っておきましょう。

注油用のオイルについては、クロスバイク初心者にとって何を買えばいいかわからないと思います。はじめのうちは、水に強く注油頻度が少なくていいウエット系のオイルであるフィニッシュライン クロスカントリーウェットルーブをおすすめします。

フィニッシュライン クロスカントリーウエットルーブ

参考価格:1,080円

  • 容量:60ml
  • ウエットタイプ

また、慣れないうちはどこに注油していいかわからないので、「クロスバイクの注油方法・注油箇所」を参考に注油しましょう。

参考リンク クロスバイクの注油方法・注油箇所

シフトワイヤーが伸びていても変速の調子がおかしくなる

後ろのギアでよく起こるのが軽いギアにチェーンが上がりにくくなる状態。これはシフトワイヤーの伸びが原因なので、ディレーラーの調整ボルトを左回りに締めてワイヤーの張りを戻せば解決。微調整が必要な箇所なので、一気に回して調整するのではなく、1/8~1/4回転と少しずつ動かして調整すること。詳しくは「変速しない・しづらい場合やチェーン落ちなどギア周りのトラブル解決法」を参考に。

参考リンク 変速しない・しづらい場合やチェーン落ちなどギア周りのトラブル解決法

ほかにもいろいろな理由が

他にも、チェーンが伸びてしまっていたり、ホイールがちゃんと装着されていなかったりなどの場合も変速がおかしい原因。どこまで自分で解決できるかを把握しておき、自分でできない場合は自転車店に相談しましょう。

基本的なトラブル5.タイヤがパンクした

タイヤがパンクした

路面の異物を踏んだ場合や、段差に強くタイヤを打ち付けた場合などタイヤがパンクしてしまう原因は様々。普通の自転車ならパンク修理は自転車店に依頼することが多いのですが、クロスバイクはホイールを簡単に外すことができるので、パンク修理は普通の自転車に比べて容易。

パンク修理と言っても基本的にはチューブの交換作業がほとんど。必要な工具も空気入れ、タイヤレバー、替えのチューブぐらい。初めての人でも片輪を1時間あればできるし、慣れてくれば15分程度でできるようになります。詳しいパンク修理方法は「チューブ交換(パンク修理)方法」を参考に。チューブ交換が自分でできるようになればロングライドにも挑戦できるので、一度は経験しておきましょう。

参考リンク チューブ交換(パンク修理)方法

まとめ

定期的にクロスバイクのメンテナンスを行いましょう

クロスバイクに乗っていれば多かれ少なかれトラブルが発生します。ただ、それは事前にきちんとメンテナンスしていれば防げるようなことがほとんど。メンテナンスの時間や手間もそこまでかからないので、定期的にクロスバイクのメンテナンスを行いましょう。

また、ブレーキシューやワイヤーなどは使い続けると交換が必要になってきます。交換の時期に関しては、「パーツ交換時期の目安を知って走行性能を維持する」を参考に。

トラブルが起こってしまった場合、自分で解決できない場合や原因がわからない場合は自転車店に相談すること。トラブルをそのままにして乗り続けるのは危険です。

参考リンク パーツ交換時期の目安を知って走行性能を維持する