メンテナンス方法

パンクしたらチューブとタイヤの交換は必要なのか

一般的な自転車がパンクした場合、チューブの修理を行うことになりますが、クロスバイクでパンクした際は、チューブの修理でいいのか、また、釘などが刺さった事による原因でのパンクはタイヤの交換が必要かどうかを紹介します。

パンクしたらチューブとタイヤの交換は必要なのか

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パンクの原因は様々

多くのクロスバイクで使われているタイヤは、タイヤの中にチューブが入っており、そのチューブに空気が入っていることでクッションになり、軽快な走りを実現できます。いわゆるクリンチャータイヤと呼ばれるタイプのものです。

パナレーサー(Panaracer) クリンチャー タイヤ [700×28C] パセラ

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そして、そのチューブの中の空気が抜けてしまうことがパンクと呼ばれ、様々な要因によってこの現象が起きます。

鋭くて硬いものがチューブに穴を開ける

クリンチャータイヤでは、釘などの鋭くて硬いものがタイヤに刺さって内部にあるチューブまで達しますと、チューブに穴が空き空気が抜けます。これは一般的にわかりやすいパンクと呼ばれる状態。

ホイールのリムと段差でチューブを挟んで穴をあける

他にもチューブ内の空気圧が低く、段差を乗り越える際、ホイールのリム部分と段差でチューブを強く挟んだことによってチューブに穴が開く通称「リム打ち」もパンクの原因。

チューブは自然と空気が抜けるもの

長い間チューブに空気を入れないでいてもパンク状態になります。タイヤの空気は何もしなくても徐々に抜けていきますので、数ヶ月経つと自然とパンク状態になります。ただ、この場合は空気を入れることで再度使えるようになります。

パナレーサー(Panaracer) 空気入れ 楽々ポンプ 米式/英式/仏式バルブ対応

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虫ゴムの劣化(スポーツ自転車ではほぼ無い)

あと、スポーツ自転車ではほぼ用いられていませんが、チューブに英式バルブを使っている場合は、空気を入れる箇所に使っているゴム(虫ゴム)が劣化して、そこから空気が漏れるタイプのパンクもあります。これは経年劣化が原因。

なお、スポーツ自転車で使われているチューブは仏式バルブを使っているため、虫ゴムがない構造になっています。そのため、虫ゴムが劣化することでパンクするようなことは起きません。

チューブに穴が空いた場合は修理ではなく交換するのが基本

一般的な自転車はチューブに穴が空いてパンクした際、チューブにパッチをあてて修理を行いますが、クロスバイクのタイヤは高い空気圧をかけるため、そのまま使い続けますと、高すぎる空気圧で空気を入れた場合、パッチ部分から空気が漏れてくることも。

そのため、外出先のよほどの場合でなければチューブを交換して使うことになりますし、穴の空いたチューブは捨てることになります。自転車店に依頼する場合の工賃も、パンク修理(1000円前後)と比べてチューブ交換となりますと、チューブ代も必要となるため、若干高額(2500円前後)となります。

コンチネンタル(Continental) チューブ Race28 Wide 700×25-32c 仏式

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コンチネンタルのチューブは軽量で耐久性の高いチューブ。格安のチューブに比べれば若干高価なのですが、このチューブはコストパフォーマンスが圧倒的。なお、チューブはタイヤの太さにあったものを選ぶこと。

もちろん、チューブの一時修理としてパッチを当てる方法でもよいですが、高圧の空気を入れづらくなるため、クロスバイク本来の力を発揮できなくなりますし、どちらにしろスポーツ自転車のチューブは消耗品で、パンクしなくても交換する時期になれば交換が必要。交換時期が早まったと割り切ってしまうことが大切。

穴が空いたタイヤでも使い続けることができる

チューブより高価なのがタイヤですが、タイヤも交換が必要かを紹介します。

内側から防水シールを貼って対応する

穴の空いたタイヤは交換すべきなのかといえば、状況にもよりますが、釘などで穴が空いたぐらいではチューブの交換は必要ですが、タイヤはそのまま使い続けることができます。(穴が大きすぎたり、タイヤが古すぎて本来の機能を維持できなかったり、タイヤが割けてしまっている場合は無理)

PARKTOOL(パークツール) タイヤブート

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タイヤの一部に穴が空いていてもチューブに問題がなければ高い空気圧を入れることはできますし、チューブがタイヤの内側から穴を(形式上)塞いでくれます。ただ、そのままのチューブ使い続けると、濡れている箇所を走り続けた場合、タイヤの中に水が侵入してしまいますので、タイヤの裏側から防水シールを貼り付けておくこと。

パンクして自転車店に持ち込む際は、タイヤのパンク穴の裏側からシールを貼ってもらえるようお願いするとよいでしょう。

構造上弱くはなっているが通常使用であれば問題なし

穴が空いた箇所は構造的に弱くなっていますので、新品のタイヤと同様の効果は見込めませんがが、通常の走りであれば特に問題なく使えます。

タイヤも高スペックのものは結構な価格のためで、パンクごとに取り替えるのはもったいないです。実際、新品に近いタイヤで釘を踏んで穴が空いた後、軽い補修をしてそのまま乗り続け、3000kmは走行できました。(タイヤの溝がなくなってきたタイミングで交換しました)

パンクしてもタイヤを使い続けるためには

リム打ちが原因でのパンク

リム打ちが原因の場合、タイヤに重篤な穴が空いている可能性は非常に低いため、特に気にすることはありません。そのままタイヤは使い続けられる(チューブはもちろん交換)。

チューブ交換時に異物が入り込むと後々面倒ですので、そのあたりはしっかりと確認しておきましょう。

丁寧に刺さっているものを抜く

パンクを見つけたら、刺さっているものを抜く必要がありますが、タイヤは再利用できますので、丁寧に抜くきましょう。ネジ系の釘が刺さった場合抜けにくいのですが、力任せに引き抜かず、優しくこれ以上穴が拡がらないように心がけましょう。

刺さったままホイールを回し続けますと、穴が広がっていたりしますので、できるだけ早めに抜いておきましょう。ただ、どうしても自分で抜けない場合は、使えない方のホイールを持ち上げたままクロスバイクを運ぶことになります。

チューブ交換の際はタイヤ内異物チェックが必須

チューブ交換の際も、タイヤ内に異物が残っていると再度パンクする要因となるため、タイヤ内部を手で触れて、異物が付着していないかを確認すること。

パンク中は絶対に乗車しない

タイヤに空気を入れずに走行しますと、走行しにくいだけでなく転倒しやすく、タイヤやホイールを痛めてしまい二度と使えなくなったり、ホイールのリム部分を曲げてしまったりと、取り返しのつかないことになりかねません。自転車店に運んだり、自分で修理する際に適当なスペースに移動させたりする場合は絶対に乗車せず、手で押して進めること。

路上でパンクした際の対応

自分で修理をする場合

OBEST パンク修理キット 16-in-1マルチツール

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パンク修理キットを携帯している場合は、自分で修理をすることができます。道端で修理を行うと周りの通行している人の邪魔になりますので、十分なスペースがある場所で行いましょう。

チューブの劣化に注意

パンク修理キットを携帯していても、保存方法が悪い場合、ゴムが劣化してチューブが使えなくなっていることもあります。携行用チューブはジップロック等の袋に入れて、空気に触れにくくしてサドルバッグに入れておけば劣化を防ぐことができます。

TOPEAK(トピーク) エアロ ウェッジ パック(ストラップ マウント) M

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屋外駐輪が多い人はサドルバッグは耐久性の高いものを選ぶこと。トピークのサドルバッグは耐久性や使いやすさから、サドルバッグの超定番。

ジップロックも厚めのものを使いましょう。薄いものですと、鍵やライトを一緒に入れた際に、引っかかってチューブに穴を開けてしまうこともあります。

自転車店に修理をお願いする場合

その場で修理が可能な店舗があるかどうかをスマートフォンなどで調べます。自転車店によってはクロスバイクのパンク修理は扱っていない場合があったり、定休日だったりすることも、事前にスポーツ自転車のパンク修理が可能なのかを電話で確認しましょう。

チューブの種類は自転車店にあるものしか選べない

基本的にはチューブは交換になりますので、パッチを当てて修理するという選択肢はないと思っておきます。

また、チューブも自転車店にあるものしか対応できませんので、チューブにこだわりがあるのであれば、常に携帯しましょう。

店側の親切心でタイヤ交換も勧められることがある

コンチネンタル Ultra Sport 3 Black-Black 700×25C

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穴の空き具合によっては、すぐにパンクしてしまう可能性があるため、そのまま使い続けるのは危険として、店舗としてはタイヤの交換を勧めてくることもあります。その場合は自己判断のもと、タイヤ交換は不要だということを伝えても良い(十分な安全を確保したいなら新品が良いのですが)。

特に、スポーツ自転車専門店でない限り、ハイスペックタイヤは置いていないため、家への帰り道だけでも使えれば御の字という場合は、チューブの交換だけお願いしましょう。

パンクを避けるためには

一度でもパンクを経験した人は、もう二度とこんなトラブルに遭いたくない思ってしまうのも当然。絶対にパンクしないというのは無理ですが、できるだけパンクしない方法はありますので、参考に。このあたりを守ればパンクの確率を数年に1回レベルに下げることも可能です。

  • 段差を超える際はスピードを落とす
  • 歩道や道の隅は異物が落ちている可能性が高いためできるだけ車道を走る
  • 路面に何が落ちているかわからないような道は避ける
  • タイヤには空気をしっかりと入れておく
  • 耐パンク性の高いタイヤを選ぶ
  • 無理・無茶な走りはせず、異変を感じたらスピードを落とす