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自転車にはメンテナンスが必要な乗り物です。メンテナンスを行わないと徐々に走りが鈍くなり、そのうち走行ができなくなってしまいます。
走行前にクロスバイクの異変に気づけばまだ良いのですが、走行中に異変に気づいた場合や、全く気づかない状態で突然アクシデントに巻き込まれるようだと非常に大変。走行できないのであればまだしも、ケガや命の危険も想定されます。 そのため、安全かつ安心にクロスバイクで走るためにはメンテナンスが必須なのです。
基本的なメンテナンスは大きく3つ。1つめはタイヤの空気圧チェック(と空気入れ)、そして2つめはチェーンへの注油、そして3つめはクロスバイクの掃除。これらのメンテナンスはこまめにする必要がありますし、そこまで大変なものではありませんので、自分でやっておくべき項目。
そのほかの難しいことは、はじめのうちは自転車店で見てもらいましょう。慣れてきたらチューブ交換やブレーキシューの交換など少しずつできることを増やしていくとクロスバイクをメンテナンスする楽しみも増えるでしょう。
走行中なにか違和感があるとか、いつも以上にガタガタするとか、普段聞こえなかった異音がするなどという場合も、はじめのうちは無理して自分で解決しようとせず、自転車店に持ち込んで相談すると安心です。
クロスバイクは洗車や注油などのメンテナンスは必須。また、タイヤ、ブレーキワイヤー、ブレーキシュー、チェーンなどは消耗品です。これらの消耗品は時間が経ったり走行距離を重ねたりすることで徐々に使えなくなっていきます。そのため、タイヤやチェーンなどの交換が必要になりますが、必ずしもそれらの交換は自分で行わなくても良く、自転車店に頼むという手もあります。
ただ、頻繁に自転車店に行かない限りは部品の消耗具合のチェックは自分でやる必要がありますので、洗車や注油のタイミングで消耗品の消耗度合いのチェックを行い、性能が大きく低下する前に自転車店にて交換してもらいましょう。使えなくなってからの交換では危険です。
普通の自転車とは異なり、クロスバイクのタイヤは空気が抜けるスピードが早いため、乗車前にはタイヤの空気圧を確認することが必要です。指で押して少しでも凹むようであれば結構空気が抜けている状態です。空気圧が足りないと走行性が落ちるだけでなく、段差などでタイヤに強い衝撃を与えた際にパンクする原因にもなり得ますので、最低でも週に1回は空気を入れましょう。
空気の入れ方や空気入れの選び方については、「クロスバイクのタイヤに空気を入れる方法」を参考に。
汚れに気づいた時や雨天走行後などは、愛車を掃除しましょう。汚れをそのままにしておくと愛車の見た目が悪くなるだけでなく、錆や劣化の原因ともなります。特に、雨の後に水分がフレームやパーツについたままにしておくのはやめておきましょう。
時間がない場合は洗浄液を使わなくても、ウエスで簡単に拭き取るだけでも十分なので、長い間クロスバイクを使いたい場合は必ず拭き掃除を行うことをおすすめします。詳しい洗車方法は、「クロスバイクの洗車方法」を参考にしてください。
チェーンから異音が聞こえる場合や、変速がなめらかでない場合は、チェーンの油が切れていることが考えられます。チェーンに注油するのはチェーンを滑らかに回すためだけでなく、サビ防止という役割があります。チェーンが錆びてしまうとクロスバイクの走行性能は大幅に落ちてしまいますので、最低でも月に1回は注油しましょう。
また、雨天時に走行した場合やチェーンに水分がついている場合は翌日でもいいので、注油してサビを防ぐことも大切です。 注油箇所や方法について詳しくは「クロスバイクの注油方法・注油箇所」で紹介しているので参考に。
クロスバイクのチェーンやブレーキシューは消耗品で、寿命があります。主な消耗品の交換時期は1年から2年が目安。もちろん、走行頻度や走行距離が多い場合はそれより早いタイミングで交換が必要となります。
とはいえ、交換するという作業は人にとっては難しいと思う人も多いでしょう。そのため、交換はできなくても交換するかどうかのチェックでいいので、クロスバイクの掃除のタイミングで消耗度合いの確認しておきましょう。以下に消耗品の交換時期の目安とチェックポイントを紹介しますので参考に。
部品名 | 交換時期 |
---|---|
ブレーキシュー | 約半年 |
チューブ | 約1年 |
タイヤ | 約1年 |
チェーン | 約2年 |
ブレーキワイヤー | 約2年 |
シフトワイヤー | 約2年 |
まずは左右のタイヤサイドの傷を確認します。バッサリ切れていたら交換が必要です。タイヤサイドがゴムでコーティングされているモデルなら、ゴムのひび割れなどの劣化が、トレッドゴムが硬くなっていることの目安にもなります。
次にタイヤのトレッドゴムがどのくらい磨り減っているかをチェックします。わかりにくい場合は、空気を抜いてフラットにするとトレッドゴムのへこみ具合が分かりやすくなります。なお、タイヤが薄くなるとグリップ力が落ちるだけでなく、路肩の異物によるパンクの可能性が高まります。
シフトワイヤーの先端がばらばらになっていると即交換。こうなっていると、メンテナンスのときに手に刺さったり、ワイヤーがほつれてワイヤー抜けの原因になることがあります。なお、インナーワイヤーの先端にはワイヤーキャップを常に取り付けてばらばらにならないよう注意しましょう。
リアディレーラーのアウターワイヤーが曲がっていたり、折れたりしている場合も交換が必要。こうなるとインナーワイヤーとの抵抗が増して、変速不良の原因になることがあります。
曲がっている場合は曲げ戻して対応できるのですが、根本的な変速不良の回復につながらない場合もありますので、その場合はワイヤーを交換して対応が必要。
交換時の目安
クロスバイクを停止する際はブレーキパッドでタイヤを挟み込んで停止します。そのため、走行するとブレーキパッドは必ず消耗するものです。
チェックするポイントはブレーキパッドのリムへ当たる面に切られている溝部分。この溝まで消耗したタイミングが交換時期。また、一部分だけでも溝がなくなってもブレーキの効きが悪くなりますので、交換は必須です。
なお、雨天時の走行はブレーキパッドの消耗が激しいので、雨天走行後はブレーキシューを必ずチェックすることが大切です。
各部の細かな調整など、初心者には難しい部分もあるため、そのような場合は自転車店にメンテナンスをお願いしましょう。クロスバイクを購入した店舗なら、購入者へのサービスがある場合もあります。
クロスバイク購入後1か月での点検は必須。というのも、購入後しばらくするとワイヤーが伸びてきますので、その調整をする必要があるのです。ほとんどの自転車店では初期メンテナンスを無料でやってくれますので、ぜひ頼りにしましょう。
もちろん、自分でやってもいいのですが、調整にはコツがあり、特にクロスバイク初心者であればぜひやってもらいましょう。また、この時に乗っているうちに不明な点を聞いて、不明点を解決しておくといいでしょう。
購入後1ヶ月のメンテナンス以外にも、各種チェックやメンテナンスも行ってくれます。店舗によってその内容は異なりますが、ネジの緩みチェックや締め付けの確認、消耗品の確認、空気入れ、注油などが主なメンテナンス内容です。
気になる価格ですが、点検と作業の2タイプに分けて考えます。点検については、その店舗で購入したクロスバイクの点検費用は永年無料、他店で購入の場合は有料になる店舗が多いです。
作業については、パンク修理やブレーキ調整などは作業のための工賃が必要です。ブレーキシューや各種ワイヤーなど消耗品交換が必要な場合は、別途商品代と工賃がかかります。以下は某ショップの工賃表。他にも、自転車専門店の一部(自転車屋POP・サイクルショップカンザキ・サイクルショップチャリゾウ)でも工賃表を記載している所もあります。もちろん店舗によって大きく価格は変わりますので、あくまで参考に。
上記で紹介したような簡単なメンテナンス箇所と異なり、クロスバイクに慣れてきてからようやく扱うことができるメンテナンス箇所もあります。このような部分は、へたに触ってしまうと、パーツを損傷してしまう可能性がある部分なので、初心者は自分ではしないで、必ず自転車店に依頼すべき作業です。
依頼すべき作業には大別して2つあります。まず、自転車専門店にしかないような特殊工具を必要とする作業。もうひとつは、高度な技術を必要とする作業です。
前者は、ボトムブラケットやヘッドパーツまわりの作業で、クランクやヘッドパーツの着脱を伴う作業、後者は、前後のディレイラー調整、ハブやヘッドのガタ(緩み)調整、スポーク調整、ヘッドパーツ、前後のハブやボトムブラケットのグリスアップなどの作業です。
特殊工具を必要とする作業 | 高度な技術を必要とする作業 |
---|---|
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ディレイラーの調整は経験と技術が必要。もちろん、自分でも調整は可能ですが、自信がなければプロに依頼しましょう。
なお、ワイヤー交換時にもディレイラーの調整が必要です。ワイヤー交換では、インナーワイヤー、アウターワイヤーともに交換するといいでしょう。1年に一度は、ディレイラー調整も含め、ワイヤー交換を依頼するとスムーズです。
ワイヤーを自分で張り直すまではできる人もいますが、その後でギアシフトの効率をベストの状態にするためには経験と技術が必要です。たとえ自分でワイヤー交換できたとしても、後で必ずプロに調整を依頼してその作業を見せてもらい、プロの技を教えてもらいましょう。
ハブがガタつく場合は締め付けの問題が起きている可能性があります。締めつけが弱いと、回転はスムーズですが、ガタが出ます。逆に締めつけが強過ぎると、ガタはなくなりますが、ゴリゴリとした回転になってしまいます。この微妙なポイントを探すのにプロの経験が必要となりますので、プロに依頼しましょう。
ヘッドパーツがガタついていると思ったら、フロントブレーキをかけて自転車を前へ押し出してガタツキが出ていないか点検します。このとき、ヘッドパーツまわりにガタがあると調整が必要となります。もちろん、ヘッドパーツもハブと同じようにプロの調整が必要です。ガタをそのままにしておくと、フレームにダメージを与え、結果として損傷の原因ともなりますので、気がついたらすぐに自転車店でプロに調整してもらいましょう。
ヘッドパーツ、前後のハブやボトムブラケットなどには、スプレーオイルとは違った、より粘度の高いグリスという油が使われています。この部分は半年に一度くらい、あるいは雨の中を続けて走った後などにはグリスアップが必要なことがありますので、プロショップに持っていって見てもらいましょう。
クロスバイクを長い間使うためにはこまめなメンテナンスが必要です。自分でできることは自分で解決し、そうでないものはぜひともプロの手を借りてよい走りを維持しましょう。